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ハリネズミの魅力


※この投稿はかつてnoteに投稿していたものを再編集して構成しました。

飼える生き物の条件

私の収入が不安定なので住宅ローンと住宅の名義はぺぬ🐧(配偶者)です。家主権限に逆らうことはできない…というようなパワーバランスではないのですが、犬・猫のような家全体を動いて毛の生え変わりも多い生き物はアレルギーが出る可能性があるようで、さすがにそこまでのリスクを抱えてまで迎えようとは思いません。また、飼育のコストも厳しいものがあります。
1人でケージや水槽で飼育できる小動物では、ハムスターやモルモットのような齧歯目は魅力的ですが、やはり毛のことが心配です。毛のない爬虫類や魚類はなんとなくあまり愛着を持てません。顔やしぐさがかわいくて、もふもふ度が比較的低くて、自分1人でお世話できそうな生き物ということでハリネズミを飼いたいと思いました。

初心者にはオスが飼いやすい?

転居してから近所のホームセンターに行くと、思ったより貫禄のある体型のハリネズミがいました。生後3ヶ月程度は経っている個体のようなのでそんなものかと思ってホームセンターに用があるたびに見に行っていたら、ある日突然赤ちゃんを産みました。
知らずに迎えていたら初心者にいきなり産後ママハリと赤ちゃんハリ4匹…という荷の重さにぞっとした私は、別のショップでオスだと確定しているハリネズミを迎えました。

妊娠のリスクはショップではなく赤ちゃんから離乳、飼い主への引き渡しまで一貫して面倒を見ているハリネズミ専門ブリーダーさんから直接迎えることで防ぐことができますが、ハリネズミのかかりやすい病気の1つに子宮疾患があることも考えると、初心者にはオスのハリネズミのほうが飼いやすい気がします。

その後、例の赤ちゃんハリたちはホームセンターのスタッフさんによって責任持って育てられたようで、離乳したかわいい子ハリたちが店頭にいました。そのホームセンターより入店するまでの環境に大いに問題があったようなので、近親交配で生まれた子ハリたちではないかとこれまた不安でもあります。

社会性が皆無な永遠の中二病!でもそこに癒される

ハリネズミは人間のような、他の個体と支え合ったり群れたりする生き物とは根本的に違います。母ハリネズミだけで赤ちゃんを育て、離乳したら早くに母ハリネズミのもとを離れ、繁殖を除いて他のハリネズミと行動をともにすることはありません。ハリネズミ以外で体にハリを持つヤマアラシは「ヤマアラシのジレンマ」というたとえもあるように他の個体と身を寄せ合うこともありますが、ハリネズミは授乳と繁殖以外で積極的に他の個体に近寄ることはありません。ナチュラルソーシャルディスタンス。

そんな生き物に対して飼い主にできることはフードと水を用意してうんこを拾ってかわいい姿を見て癒されることくらいです。犬は飼い主を犬と違う存在の主人として認識し、猫は飼い主を巨大な猫だと認識しているという説がありますが、ハリネズミは飼い主を生き物だとすら思っていないかもしれません。その証拠に部屋を散歩させている間に私の手を差し出すと乗りも避けもせずにスルーされ、たまに手の上にうんこをされてしまいます。飼い主としては針を立てられるよりうんこをされるほうがマシなのでいいです。

社会性が皆無、というか必要としない生態なのでなくて当たり前なのですが、ハリネズミはちっとも飼い主の思い通りになりません。好きな時に寝て好きな時に食べて好きな時に遊んでどこでも排泄します。ちっとも飼い主の思い通りにならない姿は社会で疲弊しがちな人間にとっては癒しになると思います。

そして永遠の中二病です。闇と孤独が好きで、光と群れることと人間が嫌いです。私は自分のパソコンデスクを置いている部屋でハリネズミを飼育していますが、夜間は自分の作業はもちろんたとえZoom通話でもデスクライト以外の明かりはつけません。逆に、室内の散歩中にケージに帰したいときは電気をつけて自主的にお帰りいただくのをなるべく待ちます。あと永遠の反抗期でもあって、ちょっとでも嫌なことがあると針を立てて丸くなってしまい飼い主でも手がつけられません。

ここまで書いてきたことに魅力を感じるか感じないかでハリネズミの飼い主として適性があるかどうかわかるかもしれません。おそらく、思い通りにならないことにイラつく人や好きなだけ触らせてくれる生き物を求めている人はハリネズミの側からお断りです。あと、人になじみ深い他の哺乳類(犬・猫・ウサギなど)は平熱が38℃くらいでかなりの温もりがあるのに比べ、ハリネズミの平熱は人間並み(35℃~37℃程度)なので、もふもふの温もりが欲しい人にも不向きです。

ハリネズミの写真撮影

私は自作のものや買ってきたもので遊んでいるハリネズミの写真をよくSNSにアップしますが、ハリネズミは飼い主に合わせてなどくれません。SNSでのハリネズミ界のスターたちは飼い主さんがプロのカメラマンだったり、ハリネズミを繁殖させ生まれたときから面倒を見ていて飼い主さんがいて当たり前の環境だったり、特別な飼い主さんとハリネズミさんたちです。一般飼い主と一般ハリネズミでは飼い主がハリネズミに合わせるしかありません。狭くて暗いところに入りたがる習性を使って撮影することが多いです。

ハリネズミのトリビア

ハリネズミを漢字で書くと「針鼠」以外に「蝟」「彙」という表記があります。これらにはどちらも「集まる」という意味がある(例:語彙)ですが、ハリネズミには集まる習性はないので、針が集まっている様子から意味が広がったと考えられます。
「彙」はハリネズミの象形文字で、大陸に生息するアムールハリネズミ(マンシュウハリネズミ)を象ったものとされています。

ハリネズミの魅力に話を戻そう

もはや語彙の彙の字さえも言葉のハリネズミだと思うとかわいく見えてきました。
見出しにも書いた通り、社会性が皆無で永遠の中二病でしかも永遠の反抗期なのが魅力なので、この一連の文章が魅力ではなく悪口に見える人にはたぶんハリネズミの飼育は向いていません。飼い主の顔色など一切伺わない、普通にお世話していても触らせてすらくれない、飼い主の存在に慣れたら手のひらの上でうんちをする、そんな生き物に魅力を感じる方はぜひハリネズミを飼ってみてください。しいていえば多くの齧歯目の小動物よりマイペースでおまぬけで身体能力は低めなので、そういうところにも癒されるかもしれません。

Posted in ハリネズミのこと