今回も正確には弁論準備手続として行われました。
裁判に先立って、今までの流れを動画として手遊び小町チャンネルに投稿しています。
2020/07/03 訴状発送
YouTubeが推奨する著作権トラブル解決の方法に従い、裁判を起こすことになりました。
2020/08/19 第1回弁論期日
被告側は答弁書で「動画を削除したのはYouTubeの判断である」「動画の著作権について弁護士や弁理士と相談の上検討し、著作権侵害申し立てを送信した」と反論し、争う姿勢です。
また、裁判が始まったことを受けて各種メディアでも報道されました。
2020/10/01 第2回弁論期日(弁論準備手続)
原告側は準備書面で「米国デジタルミレニアム著作権法に従ったノーティスアンドテイクダウン方式をとっているためYouTubeは免責される」「被告は著作権に関して理解していないと考えられる」「どの弁護士と弁理士にどのような内容を相談したか」ということについて反論しました。
2020/11/25 第3回弁論期日(弁論準備手続)
本日も裁判傍聴に先立ってライブ配信がありました。前回の反省から、スマートフォンに接続するタイプのマイクを導入したところ、かなり改善されたと思います。
今回も弁論そのものは被告側の準備書面の不明瞭な点を裁判官や原告代理人が確認することと第4回弁論期日の決定で、前回と同じく10分ちょっとで終わりました。
被告側の準備書面では、「特許や商標の出願とそれに協力した弁理士(実際には実名あり)」「ブログの著作権に関するガイドラインを依頼した弁護士(実際には実名あり)」「被告が著作権について手芸店に問い合わせしたときの回答」が出ましたが、どう見ても被告の主張を補強する証拠としては弱いと思いました。原告側から、「ガイドラインと著作権侵害申し立てに関する時系列」「被告の著作権に対する問い合わせの内容」など、不足している情報を補充するよう被告代理人に伝えています。
第4回弁論期日は2021/01/22(金) 11:00と決定し、弁論準備手続となる予定です。ほぼ1ヶ月半〜2ヶ月ごとであり、争点や証拠の整理だけでも長い時間を要する状況で、そこまでは原告・被告とも代理人のみで進めることが一般的です。それらの整理が済んでからの証人尋問、そのあとの判決というビジョンがまだ見えてきませんが、おそらくこの裁判は日本にこれまで前例のない重要な判例となることが期待されます。
訴状、答弁書、準備書面などは京都地方裁判所で閲覧できますが、実際には膨大な資料の中から事件番号や原告・被告の実名が不明である事件記録を探すことは困難であり、また閲覧者の住所や氏名も事件記録のファイルに記載する必要があることをお知りおきください。
ここまでの流れを見て「被告代理人がそんなものを準備書面や証拠として提出しているのはどうなのか」と考える方もいるかもしれませんが、被告代理人は被告の煮ても焼いても食えないような主張をなんとか準備書面として成立させる重要な役割を担っていて、頭が下がる思いです。そろそろ被告代理人も特許やら商標やら関係ない証拠ばかり提示する被告に業を煮やして、「で、著作権は?」と思っているかもしれません。また、「YouTubeに非はないのか」と考える方もいるかもしれませんが、YouTubeはアメリカで虚偽の著作権侵害申し立てをした者に損害賠償請求をおこなった前例もあり、この件ではある意味、原告をはじめとした被害チャンネルが活動していたら得られたであろう収益を奪われた被害者であると思っています。