前職で最初の3年間だけ吹奏楽部の副顧問をしていました。京都市内には演奏技術とエンターテインメント性の両方に優れた高校はいくつもあったのですが、なかなか在職中はゆっくりとコンクールや演奏会を視聴する機会はありませんでした。しかし、今年はコロナ禍の影響で当然ながらコンクールは開催できない状況だったので、定期演奏会に行くしかありません。
今日はそのうちの1つに行ってきました。強豪と言われる吹奏楽部は100人、学校によっては200人もの大所帯からコンクールのメンバーを選抜するのは当たり前ですが、今日行ってきたところはむしろコンクールの定員割れが常態化しているにもかかわらず京都府内の強豪である学校です。しかし関西大会は大阪の特定の学校が強すぎて…これ以上いけない…
感染症対策のためか空けてある席も多く、チケットを早めに確保できて幸運でした。コンクールもなく完全下校の時刻の制限で練習時間もまともに確保できない、そしてパンフレットによると部室を改築中という厳しい状況を心配していましたが、余計なお世話でした。
20代後半くらいの若い卒業生がプロとしてゲスト演奏、そして同じ楽器を専門としている顧問の先生と現役の部員を含めたカルテット、ある有名な吹奏楽の作曲家が元々は別の団体のために書き下ろした楽曲を異例の演奏、ポップスメドレーでは「いとしのエリー」(←これめっちゃ重要)を含む長く愛されている名曲の演奏、割と多く来ている中学生には米津玄師さんの作曲だと伝わっていないかもしれない「マトリョシカ」に合わせた企画ステージ、和楽器の演奏、卒団演奏、偶然にも私自身の高校の頃の思い出の曲「ハイスクール・ミュージカル」のマーチングと、3時間近くにわたる素晴らしい演奏でした。今年度は演奏を披露できる場が限られていた分、いつも以上に定期演奏会に全力を賭けているのだろうと感じました。
私の地元も吹奏楽が盛んな地方だったので、部員はかなり苛烈な練習をしているイメージがありましたが、限られた人数と練習時間でこれだけの素晴らしい演奏を披露できるなら、今後の吹奏楽部のあり方も大きく変わっていくかもしれません。大阪の強豪と言われる学校には正直あまりお金をつぎこみたくないのですが、今回行ったのとは別の学校や、再び開催できるようになればコンクールもぜひ鑑賞に行きたいと思います。