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洗脳による被害の恐ろしい実態


個人的な意見として、「洗脳」は被害者の財産のみならず、価値観や人間関係や時間など目に見えない大切なものの多くを奪う、この世で最も重い権利侵害だと考えています。

財産を奪われる、というかそれを主な目的としたケースが多いため、詐欺などでの提訴は可能だと思いますが、現在の法律で「洗脳」そのものを罰することはできません。
そして、社会の不安が大きい時に「洗脳」の被害は増加する傾向があり、具体的な言及は避けますが、平成初期に社会を震撼させた事件もこれに該当すると考えられます。そして、現在の世間の情勢もかなり危ない状況であると思います。ウイルスを必ず滅するだの、はたまたウイルスなど存在しないだの、あるいは経済的な不安が大きい人に絶対に儲かる投資を持ちかけるだの、そういったかなりむちゃくちゃなことを人に信じ込ませることがより容易であるからです。

私が「洗脳」らしきことを初めて知ったのはある少女漫画で、主人公たちの先輩の過去編とされた一件でした。女子校の人気者の同級生を洗脳し、裏で他の生徒を嫌がらせで転校や退学に追い込みながらも、その人気者を常に味方につけて自らの悪事をもみ消す生徒が登場するという、子供向けの少女漫画とは思えない重苦しいストーリーでした。

有名人に対する洗脳の被害

X JAPAN Toshlさんの洗脳事件は、有名人が被害に遭い、本人が洗脳から抜けて被害の状況を包み隠さず公表しているものの中では特に有名だと思います。当時の妻を通して知り合った洗脳の首謀者に10年以上にわたって騙され、多額の金銭を騙し取られ、また本人も首謀者の活動に加担してしまったという内容が語られています。そして、首謀者に諸悪の根源であるかのように罵られていたX JAPANの再結成の話が持ち上がった時に、多額の金銭が得られると知って手のひらを返すように首謀者が話に乗ったことから違和感を覚え、やがて再結成を経て洗脳から抜け出すことができたとのことです。
参考リンク:
Toshl「洗脳~地獄の12年からの生還~」インタビュー
ToshIはなぜ洗脳され、そして逃げ出せたのか…X JAPANドキュメンタリー映画にも出てこない洗脳事件の真実

辺見マリさんが俗に言う「拝み屋」による洗脳の被害をテレビ番組で明かしたことも話題となっていました。高額ダイエット教室で、洗脳の首謀者が入会金を持ち逃げしたことをきっかけに洗脳から抜け出せたそうです。有名人は経済的に余裕があり、また財産が底を尽きても知名度を利用してさらに金銭を得ることができることから、被害が億単位の高額になることが珍しくありません。

また、おそらく洗脳の支配下にあって未だ抜け出せていないと考えられる元女性お笑い芸人、今まさに周囲とのつながりを断たれ現在進行形で洗脳が進んでいると考えられる某フリーアナウンサーなど、未だに同様の被害が絶えない状況です。

洗脳の常套手段としては、「睡眠時間を削られて判断力を低下させられる」「周囲との関わりを断たせて他に味方がいないと錯覚させられる」「悪事に加担させて罪悪感を覚えさせる」あたりが挙げられると思います。自分の周りでこのようなことが起こったら要注意ですが、そこまで巻き込まれてしまうと自力で抜け出すのは困難だと思います。

前述の某フリーアナウンサーは不自然に嫌われるような言動を繰り返して身近な人や仕事との関わりを断たれ、洗脳の首謀者とみられ夫でもある人物以外を信じることができない状況に追い込まれているようです。不自然に嫌われるようなことをする有名人の裏には多くの場合洗脳が絡んでいて、このような言動で視聴者が離れたらそれこそ洗脳を企む側の思う壺です。

洗脳くん

「闇金ウシジマくん」のドラマで、中村倫也さんの怪演が話題となった「洗脳くん」。元になった事件はありますが、物語の性質上、登場人物が凄惨な結末を迎えることが多い「闇金ウシジマくん」の中では珍しく、元になった事件があまりに凄惨すぎて現実よりも救いのあるストーリーになっていることでも知られています。

元になった事件はいわゆる「閲覧注意」「検索してはいけない言葉」に該当すると思われるので具体的な事件名は差し控えますが、首謀者が共犯者(内縁の妻)の両親と妹一家を含む7人を殺害した事件です。共犯者の家族6人以外の被害者1人の娘である少女が洗脳から抜け出して祖父母に助けを求め、警察に通報して事件が発覚しました。首謀者は直接手を下さず洗脳によって共犯者やその家族を事件に加担させて財産も生命も奪い、物的証拠が隠滅されている異様な事件ですが、共犯者と通報した少女の証言により首謀者の死刑が確定しています。共犯者は無期懲役が確定しましたが、拘置所や刑務所での生活は首謀者の支配下に比べてずっと自由であるとも発言しており、洗脳の凄惨さを物語っています。

対策

私が住んでいる市では、特殊詐欺の注意喚起の看板やチラシ(下の画像)に「わたしだって、だまされる!」と書いてありました。今までこういった注意喚起では、「絶対にだまされないぞ!」などと書いてあるものが多く、かなり斬新なキャッチフレーズだと思います。しかし、現代では「自分は絶対に大丈夫」と思っている人ほど危ないというのはもはや常識になってきています。インターネット上の情報も有象無象で、取り返しのつかない洗脳へと引きずり込むようなものが紛れ込んでいるかもしれません。「自分も洗脳や詐欺の被害に遭う可能性がある」と認識することが大切です。

Posted in その他の権利侵害全般

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