2020/02/18に初めてこの問題を取り扱って、今日で9ヶ月が経ちました。最初は「異議申し立てが通れば申立人が謝罪して終わる」とか簡単に考えていたので、ここまで長期化するとは思っていませんでした。今回は一記事にするほどではないちょっとした疑問をいくつかまとめてみます。
被告チャンネルSおよび被告共同運営者YMに不利な情報を発信しているユーザーに対する反応
裁判が起こる以前なら、高圧的な態度で被告にとって不利な情報の削除を要請し、それで削除や非公開に至った(のちに再び公開されたものも含む)コンテンツも複数あります。また、要求が通らないと相手に対する脅迫や誹謗中傷も辞さないような状態でした。
ところが、裁判が始まった後は同様の削除要請や不当なコンテンツ使用料の請求は起こっていますが、それ以降驚くほどそれに関連する発言がなく、むしろ被告に不利な情報を発信している側の憤りが空振りしているような状況が続いていました。考えすぎかもしれませんが何か不自然です。
怪文書の正体
先日、このような投稿をアップしました。
編み物ユーチューバー著作権裁判 各所での怪文書
怪文書の送り主が「文面から想定される本人」「文面から想定される本人を騙るなりすまし」のいずれにせよ、こうやって晒すような形になりましたが公開したことがある程度は抑止力になっているようです。この際正体はどちらでもいいので今後同じようなことが起こらないことを願います。
プロから見た今回の事態
大手の毛糸メーカーや手芸雑誌出版社の多くも今やSNSアカウントやYouTubeチャンネルを持っている時代ですが、特にこの件に関する言及はありません。今までもあるにせよプロの個人レベルだったと思います。結果的に裁判に発展しましたが、所詮は被告が主張する著作権などプロの方々からすればあまりにアホらしいことなのだろうと思います。
本当に被告だけに非があるのか
被告を擁護するつもりはありませんが、被告が非公開にした動画で「動画の不正(被告の主張は著作権侵害)を黙認している視聴者も同罪」なる内容が述べられていました。この発言は批判されていましたが、ある意味正しいと思います。被告が聞く耳を持たなかったところもありますが、過去の動画のコメントや既に削除されたコミュニティ投稿へのコメントなどを思い起こすと、かつての視聴者やファンが被告がこのような態度をとるのを助長していたところもあるのではないかと思います。
人はなぜYouTubeに動画をアップするのか
軽い疑問をいくつか扱うつもりだったのに唐突に何か本質的な疑問を出してしまいました。編み物の動画なんて趣味の範囲なので多少の間違いがあったところで生活や健康には何ら影響しませんが、特に専門的な資格を持たない素人の方が料理のレシピやフィットネスのやり方と言った生活や健康に直結する情報を動画やブログ、個人サイトなどで公開するのは今や珍しいことではありません。
なぜそういう情報を公開するのかというと、自分が思いついたことや知っていることをみんなに知ってほしい、見てほしいという気持ちがあるからだと思います。編み物の作品の編み方でいえば、人に上から目線で教えてやろうという気持ちではなく、自分が作ったものをみんなにも見せたい、同じものを多くの人に編んでほしいということになるでしょうか。あるプロの編み物作家の方も、インスタのライブ配信で「自分がデザインした作品を他のたくさんの人に作ってもらえる、喜んで使ってもらえる、使った人が他の人にほめてもらえることがうれしい」という内容のことをおっしゃっていました。被告チャンネルのような、上から目線で教えてやろう、作り手は一般消費者とは違う、自分が作ったものと同じものを作られることを好ましく思わないという状態では、まずYouTubeでは長続きしないのではないかと思います。
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