子供の頃、シルバニアファミリーが好きでした。一人っ子だったので、「赤い屋根の大きなお家」をはじめ、割といろいろなものを買ってもらいました。わたウサギファミリーが好きでした。そして、図書館に行くとたいていかぎ針編みの本か、シルバニアファミリーの手芸本「だいすきシルバニア(日本ヴォーグ社)」シリーズを借りていました。
「だいすきシルバニア」シリーズ、シルバニアファミリーを遊ぶ子供の両親や祖父母が協力して作ることを想定しているのか、明らかに子供には難しすぎるレベルのものばかり載っていました。型紙も縫い目も細かい服だとか、細かい粘土細工だとか、割と本格的なお部屋の模様替えやジオラマ作りだとか、そのあたりです。見て楽しいものではありましたが、せいぜいフェルトの簡単な服(???)のようなものしか作れませんでした。
その中でも、特に気になっていたのが「だいすきシルバニア Vol.5」に載っていた「ニットのおしゃれドレス」でした。
2/0号のかぎ針で、極細のモヘア糸で編む服です。
出版当時(2000年)の私は既にかぎ針編みはできたのですが、並太の毛糸でお手本通りに編んだはずのアクリルたわしがなぜか実物大の1.5倍くらいのサイズになるほどめちゃくちゃに手が緩く、また極細のモヘアの毛糸や2/0号のかぎ針をどこで買えばいいかもわからなかったので、諦めました。そして自分の手の緩さは諦めて、7/0号〜8/0号くらいのかぎ針で極太のアクリル毛糸でアクリルたわしばかりを編んで約20年が経ちました。
2019年、長期間にわたりお休みをいただいたことから、それまで敬遠していた細い毛糸も編むようになります。手の緩さはあまり変わらず、ワークショップで編んだイニシャルあみぐるみがお手本より一回り大きいサイズになったりしました。まあ、1.5倍だった子供の頃よりマシだと思います。
そして、偶然にも高槻で開催されていたシルバニアファミリー展に行き、何かを少しずつ思い出しました。
2020年。「だいすきシルバニア」はどうやら絶版で、一部の古本がたいてい定価よりかなり高い価格でネット上で取引されているようです。でも、地元で子供の頃やったように図書館で検索すると、ありました。図書館では絶版の本と思いがけず再会できることがよくあります。書庫に入っていたので、受付でお願いして出してもらい、借りました。ただしリサーチ不足でいくつか持ってきてもらい、目当てのかぎ針編みが載っているVol.5を借りました。ついでに、帰りに100均で細めのモヘア糸をいくつか買いました。
この本を借りたのをきっかけに、ショッピングモールのシルバニア売り場に久しぶりに行ってみました。中高生くらいだと行きづらいですが、この年齢だと自分や親戚の子供に買ってあげるような立場に見えるからか逆に大丈夫です(?)。シルバニアというとお父さん・お母さん・男の子・女の子・赤ちゃん・双子の赤ちゃんという大所帯のイメージでしたが、三つ子の赤ちゃんがいたり、逆に女の子と赤ちゃんしか子供がいなかったり、家族構成が私の子供の頃と違うファミリーや、ゾウやカンガルーやアルパカなどの意外なファミリーがいてびっくりしました。あと、今やシルバニア村もドラム式洗濯機やスティック式掃除機があるんですね。私が持っていた二層式洗濯機から一気に進歩しました。
そして、本を参考に作ったものが本日のサムネイル画像のニットドレスです。今やってみれば簡単でしたが、子供の頃の自分にはいろんな意味で作れなかったものだと思います。マロンイヌの女の子、今まで購入した時のままの20年もののボロボロの服でした。まだいくつか人形を実家から持ってきているので、掲載されていないお母さんや赤ちゃんサイズも編み図をアレンジして作ってみたいです。