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弁論準備手続とは


随分先延ばしにしてしまいましたが、今のところ特に急ぎで扱う出来事もなさそうなので、「弁論準備手続」について扱います。私も2020/10/01の傍聴で初めて耳にした言葉でした。

第2回以降の弁論については、原告・被告双方の主張と争点を明らかにして証人尋問や当事者尋問が可能になるまで、弁論準備手続として行われることが多いようです。

弁論準備手続については民事訴訟法168条〜174条に定められています。
以下、条文の「当事者」は原告代理人・被告代理人を含むこととします。

裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を弁論準備手続に付することができる。

民事訴訟法 第168条

弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。

民事訴訟法 第169条

裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし、当事者が申し出た者については、手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める場合を除き、その傍聴を許さなければならない。

民事訴訟法 第169条の2

裁判所には傍聴人が多数入れるような大きい法廷だけではなく、傍聴人を全く入れない会議室のような小さい法廷もあり、裁判官・書記官・当事者またはその代理人のみで非公開の弁論準備手続を行うことがあります。原則として非公開ですが、第169条の2に定められた「相当と認める者」「当事者が申し出た者」に該当する場合には傍聴が可能です。一般的には当事者の代理人が、傍聴を希望することについてあらかじめ裁判所に申し出ておくことになります。2020/10/01の弁論準備手続については、原告代理人があらかじめ裁判所に申し出ていたため、傍聴することができました。本来は20席くらいの傍聴席がある法廷でしたが、傍聴席にも制限があり、実質10席程度までしか入れないようでした。

特に現在はコロナ禍の影響もあり、公開で傍聴を可能にするための傍聴券配布などの人手の確保の問題や、傍聴席の制限などもあり、裁判所の側としてもなるべく非公開の弁論準備手続とすることを勧める傾向にあるようです。

編み物ユーチューバー著作権裁判についても、証拠や争点の整理がつくまでしばらくは弁論準備手続として進むことになり、一般の方の傍聴が制限されることになるかと思いますが、ご理解をお願いします。

Posted in 裁判に関する知識

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