日テレ系列「スッキリ」にて、編み物ユーチューバー著作権裁判について2020/08/28に取り上げられる予定でしたが、その日は放送内容に変更がありカットされました。裁判に絡む問題は菊地幸夫弁護士がコメンテーターである金曜日に取り上げられる傾向があるようなので、特に金曜の放送に着目していたところ、本日取り上げられました。
私は2020/02/18からこの問題を当サイトで扱っています。「スッキリ」の報道でこの問題を知ってアクセスしてくださった方は、こちらの関連記事も合わせてご覧ください。
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9時台のエンタメコーナーに移る前の10分程度扱われました。見逃した方も動画を探せばあるかもしれませんが、それこそテレビ番組のアップロードは著作権侵害に当たるので、ここで取り上げることは控えます。
約10分のうち、前半は事態の経緯の説明および、日経XTRENDの記事などでもこの問題に触れていた福井健策弁護士によるYouTubeシステムの解説VTRがあり、CMを挟んで後半はスタジオのMC、菊地弁護士をはじめとするコメンテーター(リモート含む)による解説や意見のコメントがありました。
福井弁護士の解説としては「膨大な数の動画や報告を確認するのは困難なので、通知が自動で転送されて削除される」というYouTubeのシステムの問題が挙げられていました。3回の著作権侵害の警告でチャンネル停止になることを恐れていたことなど、原告が動画投稿を自粛するに至った経緯も説明されました。
スタジオでも「通知を送信すれば気に入らない動画を意図的に削除できてしまう」という、被告がYouTubeのシステムを乱用・悪用したという点が挙げられ、菊地弁護士は「システムを悪用したのか、本気で著作権侵害があると思ったのかがわからない」と指摘しましたが、ここまでの流れからすると、タチが悪いことにたぶん両方だと思います。また「YouTubeを訴えないのか」という点もコメントがありましたが、福井弁護士が日経XTRENDの記事で挙げていたDMCA(デジタルミレニアム著作権法:余裕があれば後日解説します)により、YouTubeは免責されると考えられます。また、リモート出演していたエッセイストの犬山紙子さんは、「異議申し立てすると氏名・住所が伝わるのは怖い」という点を指摘していました。
YouTubeのシステムの欠陥に関する指摘もありましたが、被告がそのシステムを乱用・悪用したであろうという形での扱いだったと思います。この報道で新たに関心を持つ方が増えたと思いますが、おそらく原告の主張を正当だと感じる人が多いであろう放送内容となっていました。