タイトルから誤解されがちですが、連載中も20〜30代の現役教員からの人気はわりと高く、教員向けフリーペーパーのおすすめ書籍に載っていたこともありました。
作品とは無関係ですがサムネイルは無印の税込価格タコのあみぐるみ(既製品)です。黄色に変えてこれっぽいのを編んでみたいですね。
『暗殺教室』というタイトル自体は知っていましたが、私も恥ずかしながら作者の前作のインパクトもあってかいわゆるバトルロワイヤル系のストーリーと誤解して敬遠してしまい、教育漫画として優れていると気づいて読み始めたときには既に教員になってしまっていました。
読み始めた頃には既に16巻くらいまで出ていてわりとストーリーもクライマックスに突入したところでしたが、教員を目指す学生のうちに読んでおくべきだったと後悔しました。とにかくもっと早く読むべきだったという気持ちになったのを覚えています。でも理想を追いすぎると自分の体力を取り返しがつかないほどすり減らすことにももっと早く気づくべきだったかもしれない…
私自身が学生の頃「古い隔離校舎で他の生徒たちに”あんなふうになりたくない”と思われる存在だった」という経験をしていたことも、この漫画への思い入れが深くなったことと関係があるかもしれません。
そんなものはフィクションの中だけで実在しないと思われるかもしれません。
ところが実在しました。
私は浪人していましたが、予備校に通わず宅浪もせず、高校に併設された「補習科」に通学して勉強していました。
隔離された古い校舎。
暗殺教室の生徒たちのような極端な差別は受けなくとも”あんなふうになりたくない”と思われるであろう状況。
そこには思わず共感しました。
ちなみに補習科そのものは残っていますがクラス編成が変わったことによって空いた棟に移転され、古い校舎は私が教育実習に行っている期間に解体されてしまいました。よりによってそんなタイミングで壊さなくてもと思いました。悲しい。
普通の人間には殺せんせーのような先生になることはいろんな意味で無理ですが、時に教員を踏み台にしてでも成長してほしいと思うことは共通していると安心しました。私は世間一般で言うところのいい先生にはなれなかったかもしれませんが(なれていればまだ続けていたでしょう)、過去の経験も含め、成功も失敗も自分なりに伝えることができたと思っています。授業でイソジン使ったこととか今頃思い出してくれているかもしれません。世間の状況が難しいのでしばらく戻る気はないですが、やはり教員に戻るのもいいな、と思っています。
とりあえず、教員を目指している学生はその情熱を持っているうちに是非読みましょう。現役教員の方にも、読んだら私のようにある意味後悔するかもしれませんがおすすめです。