数年前、「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」「伝説の男、会釈山本が来日します」「天皇の座に即位しませんか?」など荒唐無稽な内容の迷惑メールが話題となりました。
これらの迷惑メールは有名人を騙るものなどに形を変え、リンク先の出会い系サイトに課金させる、手数料などの名目でお金を騙し取るなどの悪意ある目的にもかかわらず、多くの人はそれに騙されることなく、手を変え品を変えリンクを踏ませようとする手口を楽しんですらいるようです。
しかし、それはインターネットをよく利用する人だけの話であり、そのような迷惑メール同然の荒唐無稽な手口の詐欺事件が起こりました。既にTwitterでも書いていますが、自分のための備忘録としてブログにも残しておきたいです。
なんというか、どう考えてもおかしな点が多いにもかかわらず妙なストーリー性があり、記事だけでもかなりの読み応えがあります。
判決の記事は以下のとおりです。
“王族の末裔”に実刑 福井地裁判決「建国ありえない」 投資詐欺事件
要するに、自称”王族の末裔”である被告を操っていた首謀者がいるという構造の事件です。自称”王族の末裔”である被告は今後も建国の事業を継続してやりとげるということを陳述し、自らの身分や資産の存在を信じているとみられますが、これも再犯のおそれがあるとみなされて判決に不利になったようです。
陳述の真偽はもはや不明ですが、思い込みが原因で詐欺の被害に遭うだけではなく、詐欺に加担してしまうという事例もあるようです。あまりに荒唐無稽で話としては面白さすら感じる一方、被告すら首謀者に騙されているという事件の構造や、実際に被害に遭った人がいることを考えるとなんともいえない不気味さを感じる事件でした。
(2021/01/31追記:元の記事は非公開になっています)