まず、NHKクローズアップ現代+の過去の放送をまとめたこちらの記事をご覧ください。長い記事なので最初の要約を読んでもらうだけでも大丈夫です。
追跡!ネット広告の闇 “アカウント売買”~気づかぬうちに個人情報が売りさばかれる~
「フォロー&リツイートだけで現金をプレゼント!」という最初の一文だけでぎくっとした人は少なくないのではないでしょうか。身元が明らかな有名企業の社長による現金のばらまきや、コンビニや食品メーカーによるスイーツや飲料のプレゼントなど企業や店舗が開催している企画ならこれといって問題はないと思われます。また、ハンドメイド作家がよく行う比較的少額の作品のプレゼント企画も、あまり問題になることはないように思います。私もSNS企画で次のようなものを当てたことがあります。
・クリアファイル(インスタ/ユザワヤ様より)
・2900円相当のソックヤーン(インスタ/アシェットクラフト様より)
・Amazonギフト券1万円分(Twitter/マネーフォワード様より)
どれも応募に特にリスクもなく、問題なく賞品を受け取ることができました。
しかし、最近「投資家」などを名乗るアカウントが現金、ギフト券、iPadなど高額商品をプレゼントするとしてTwitterやInstagramでキャンペーンをしていることがあります。LINEの友達登録を条件とする場合もあります。これらのアカウントは当選者から「手数料」と称してお金を騙し取り、当たった賞品は送らないという手口をとることが多いようです。また、投資や副業、情報商材に関する勧誘を持ちかけるという手口も一般的であるようです。
さらに、こういった企画でTwitterやLINEで数千人〜数万人のフォロワーを得たアカウントが転売されています。以前取り上げたフォロワー売買と異なる恐ろしいところは、フォロワー売買では実態のないアカウントであるのに対し、「目の前のお金に目が眩んでいる騙されやすいユーザー」のフォロワーが揃った、詐欺師にとって好都合なアカウントであることです。DMやLINEでお金に困っている理由を聞き出し、投資などの勧誘、場合によっては犯罪の片棒を担ぐような高収入アルバイトの勧誘などを持ちかけられるようです。
現金などのプレゼントの他にも、「人気のツイートや画像を無断転載しているアカウント」「新規なのに過激な意見表明や体験談などをツイートしているアカウント」も、フォロワーやRT稼ぎによって将来的にアカウントを売却することが目的かもしれません。あまり疑うのは気分が良くないですが、安易にフォローやリツイートするのは控えましょう。
詐欺に一度騙されると”カモリスト”という騙されやすい人を集めた名簿に入れられ何度も被害に遭いやすくなる、とはインターネットが普及する前から噂になっていましたが、現代では具体的な被害が発生していなくても「フォロー」「リツイート」だけで”カモリスト”に入れられてしまうかもしれません。
自分のフォロー一覧を見て怪しいアカウントがあったらブロックをおすすめします。
そういえば私も4年間の休止を経てTwitterアカウントを復活させましたが、ツイート内容があまりに異なるので譲渡や売買を疑われても仕方のない状況でした。休止前は周知の事実だった出身大学や取得資格を公表してやっとその疑いが晴れたように思います。